有責配偶者とは、離婚原因をつくった人のことをいいます。
最高裁は「愛人を持った夫からの離婚請求が許されれば、妻は踏んだり蹴ったりだ」という立場を一貫していましたが、これを覆す重大な判決が出て以来、有責配偶者からの離婚請求が認められる判決が少しずつ出るようになりました。しかし、これにはかなり厳しい、次のような条件が付いています。

夫婦間に未成熟子がいないこと
20歳未満でも、独立して生計を維持していれば未成熟子には含まれません。「未成熟子」とは、親から独立して生計を営むことができない子どものことをいいます。

別居期間がかなりの長期に渡っていること
別居期間は年々短縮され、30年、22年、16年、11年と短くなっていますが、年月が長ければ離婚判決が下るということではなく、有責配偶者に誠意があるかどうかで判決は大きく左右されます。

配偶者が離婚によって経済的、社会的、精神的に過酷な状況におかれないこと
民法でいう「信義則」に反していないかどうかが判断の大きな要素となります。離婚にあたり、慰謝料や財産分与など相当額の支払いが確実である場合は、離婚請求が認められることが多いようです。また、同じように不貞の相手についても、正式に結婚できないことによって、経済的、社会的、精神的にきわめて過酷な状況に置かれているかどうかも判断の基準になります。

一定の条件は付きますが、今後も有責配偶者からの離婚請求がすべて棄却されるということは、まずないと思われます。
別居期間が長期に渡り、法的な夫婦関係を維持しているだけの場合、相手からの離婚請求に対して「離婚はイヤ」という主張だけでは通らないかもしれません。夫婦関係がすでに破綻し、回復の見込みがないとしたら、離婚を前提に、それ相応の慰謝料や財産分与を請求して納得するほうが、有利な離婚につながるでしょう。

民法の「信義則」とは・・・信義誠実の原則。社会共同生活は相互の信頼と誠実な行動によって円滑に営まれるという考えに基づき、権利義務という法律関係の履行についても同様の行動をとることを求める法理。

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